【プレリュード】岐阜で30年以上フランスの味を伝える名店

投稿者: コジータ | 2020年12月1日

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岐阜市にある,ふらんす風菓子プレリュードの紹介です。

久しぶりに「プレリュード」の記事。イートインで食べたお菓子を数回分とボンボンショコラをまとめて載せておきます。

10年以上前から何十回も記事を書いてますが,こちらのコジータismでは初投稿です。

【目次】

ふらんす風菓子プレリュード福光店

ふらんす風菓子プレリュード福光店

1987年にオープンした「ふらんす風菓子プレリュード」。

シェフの安達氏はイルプルーの弓田亨氏と深い親交があり,偽りのない真面目な菓子屋のグループ「平成正義の会」を共に立ち上げ,初代会長に就任。このお堅い名前のグループは毎年コンテストを開催したりなど活動していましたが,弓田氏の体調不良などによりコンテストは終了し,その後はほぼ何も活動ない状態だと思います。

安達氏が弓田氏の自費出版の本を読んだのをきっかけで出会うことになったとか,そんな感じだったような気がしますが機会があれば確かめてみます。

衝撃を受けた

僕がプレリュードに初めて訪れたのは2009年。それまでも,東海地方はもちろん関東や関西などそれなりには食べ歩いていましたが,その当時はほとんど情報のなかったプレリュードのお菓子を食べて衝撃を受けました。

「これまで一体何を食べてきたんだ！？」

ほんとこれでした。今まで食べ歩いてきたお菓子は何だったんだろうと。香りや味わい,その生き生きとして力強いお菓子に感動しました。しかも激安！

それまで食べ歩いてきた時間やお金が無駄に感じてしまいましたね。だって,こんなお店が1987年からあったのですから。そんなに前からあったのに,次元の低いお店をまわっていたわけですからね。

こんなに美味しいのに当時は情報がほとんどない状態でお客さんも少なく,おじいちゃんおばあちゃんの憩いの場という感じだったのがなつかしい。現在もそういう状態が残りつつ,あたたかみのある人気店になっているのが嬉しいですね。

初訪問時のブログの記事は簡単に知られたくない思いもありましたし,店名をしばらくシークレットで投稿しました。

【記事】フランス風菓子プレリュード福光店初訪問

美味しく食べれるお店が減っていく(食べ歩き中級者向けの話)

プレリュードのお菓子を食べれば食べるほど,それまでそこそこ美味しいと思っていたお店でも全然満足感が得られなくなっていきました。材料の質はもちろん,香りや素材の使い方など全然違うのです。こういう味わいや香りのふくらみを知ると他店が平坦でぺらぺらに感じてくるのです。

多くの人はそんなにこだわりはないと思いますし,こういうことにはならないかもしれませんが,写真や食べログなどの投稿数を目的じゃなく真剣に美味しさを求めて食べ歩く人はこういう次元の味を知ると美味しく食べれるお店が減っていくはずです。

フランスで食べて改めて良さを知る(食べ歩き上級者向けの話)

日本で色々食べ歩いてからフランスまでお菓子を目的に行く人は上級者と言っていいでしょう。そんなにはいないと思うので,一般的にはどうでもいい話だと思いますが。

フランスへ行って色々なお菓子を食べたり,素材の味や香りを知ってからプレリュードのお菓子を食べてみると,フランスらしい味わいを感じることができたりなど改めて素晴らしいお店だと感じました。

それとは逆に,それまで「オーボンヴュータン」も好きなお店でしたけど,改めて食べたら全くフランスを感じさせない,フランスの味に寄せる気すら感じないお菓子だったことに,はっきりと気づきました。

パティシエを目指す人たちはオーボンヴュータンのお菓子が正しいフランス菓子だと思い込み,そこを目指す人が多いのも日本で正しいフランス菓子が広まらない理由の一つでもある気がします。もしかしたら,日本でポンポネット型など小さく焼かれるファーブルトンばかりなのもそれじゃないですかね？

【記事】オーボンヴュータン 2016年3月

もう1つ書いておくと,イルプルーの教室に通っている人などで「イルプルが絶対でイルプルだけが正しいフランス菓子」というような考えになってしまう人もいるみたいですがそれもちょっと違います。その件は,リンク先の最後の方に書いてありますので興味があれば見てください。

【記事】イルプルーシュルラセーヌ 2017年6月

フランスへ何度も行くと(食べ歩き超上級者向けの話)

ほとんどの人が興味ない話だと思います。フランスへ一度行ってから毎年のように旅行するようになったわけですが,もちろん乳製品の違いはありますし,多くのパティシエもそこに言及しますが,僕はそれよりも小麦粉が気になるのです。味と食感が大きく違います。個人的にはフランスのバターを使うよりも小麦粉の方が優先順位が高く,フランスの小麦粉が使えないならお菓子は作りたくないですね。

日本とは小麦の挽きの具合が違う(日本の製粉は細かい)のも大きいですし味がまるで違う。そりゃ焼き菓子なんて大きく変わってくるでしょう。だけど,フランスの粉を使うお店ってほんと少ないですね。最近ちょっと増えた気もしますが,焼きが強すぎたり作り方がダメなのか,使ってても不味いお店が多いですけど・・。

弓田氏はさすがに小麦粉の違いに言及していたはずですが,お店で使わないのは当時はフランスからなかなか輸入ができなかったという流れからなのでしょうかね？イルプルのレシピの大きな疑問ですが,教室もやってるし大きくレシピもいじれないのかな？

ということで,美味しいプレリュードでもフランスで食べ歩くようになると粉の違いが気になったりするようになってきます。日本でトップレベルなのは変わりないですが。

ショーケース

一見昔ながらの洋菓子屋さんに見えますが,実は結構フランス菓子が多いのですよね。僕が知らないオープン当初？からしばらくは洋菓子が一切なく,もっとせめたラインナップだったそうですよ。従業員から「お願いだからショートケーキ置いて！」など言われてしょうがなく置くようになったらしいです。そんな時代にも行ってみたかった。岐阜のこの地でその時代でそれはすごいですね。やっと時代が少しだけ追いついてきた？

初訪問の11年前と比べたら100円くらい高くなっているものもありますが,それでも安いです。

こちらのショーケースは温度が少し違うんだったかな？

タルト系が並びます。

ゴッホのバナナ　495円(税込)

このお菓子,数年前より更に美味しくなっている気がします。以前より調整を加えているかもしれませんし,自分がもっとこのお菓子の美味しさが分かるようになったのかもしれません。

フランスで食べるようなオレンジの力強さ,パッションフルーツやホワイトラムの明るさをまとったバナナ。このコクがありながら,スッと軽く溶け爽やかなムースリーヌの旨さはプレリュードで是非味わってもらいたい。フレーズィエも楽しみです。

マンゴーとココナッツのタルト　528円(税込)

イルプルのお菓子の中では一般受けしやすいお菓子です。

マンゴーとココナッツということで想像しやすい味だとは思いますが,ぼやけた感じや重さのないまとまりのある美味しさだと思います。

上の方で書いたように,今の自分にはタルト生地の小麦粉が気になってしまうところはありますが,一般的に言ったらなかなかない美味しいタルト生地。イルプルよりタルトが旨いと思うんですよね。

サランボ　363円(税込)

ルゴル社のキルシュがしっかりと香るサランボ。シンプルに美味しいです。

スリー　495円(税込)

初めて登場した時は少し重く感じてましたが,しばらくしたらイルプルのワインを使用するようになり,感じていた重さがなくなりパッと華やかに広がる香りがとても良くなりました。

底のダックワーズ生地がまた美味しいんですよね。こういうところもちゃんと味わってほしいです。

ベルギービールのお菓子　506円(税込)

アーモンドの食感と味わい,存在感のある黒糖入りの生地が美味しい。上にのっているものはパールショコラじゃなくて黒糖です。

ベルギービールのオルヴァルをふんだんに使ったムースのお菓子ですが,黒糖の味わいがビールの味を見事に補っているような絶妙な相性でとても好きなお菓子です。素材を組み合わせることによる相乗効果がしっかりあるんですよね。初めて食べた時は特に驚きました。

シブストマロン　528円(税込)

プレリュードの秋の定番シブストマロン。

ほとんどの店が冷凍する中,冷凍するくらいなら作らないというシブースト。

ごろっと入った栗の本来の味も感じられながら,アパレイユの栗,シブーストにも栗のシロップ,タルト生地にはサツマイモが練りこまれているらしく,味わい的にとても一体感があり厚みのある品。

デュアリテ　495円(税込)

ショコラとコーヒーのお菓子です。しっかりとしたコーヒーの主張がありますが,組み合わせ的に想像できる味わいだと思います。

ペック社(フランス)の重さのない芯のある味わいのショコラを使っているので食べ疲れするようなものではないです。例えばこれがヴァローナレベルのショコラだとすると低質な酸のせいなのか喉がしみたり,ズドーンと重くなります。気分も重くなります。不味いチョコって,コーヒーが煮詰まった感じと似てますよね。ヴァローナがまさにそんな感じ。ヴァローナだけじゃなく多くのショコラがですけどね。

ちなみに,コーヒーのお菓子ってすごく難しいと思うのですが,個人的に好きなのは「プレジール」というお菓子ですね。ウイスキーを使ったものです。

ボンボンショコラ

ショコラでコーティングされた中身は,糖衣に包まれた質の良い香り高いブランデーやリキュール。

ガリっと噛むと流れ出るブランデーやリキュール。香りとアルコールが口の中に弾ける。強めのアルコールと香りがとてもインパクトのあるクセになるショコラ。これとても好きなんですよね。

フランスへ何度も行っているうちに物足りなくなってきた部分もあるにはあるのですが,それでも今でもとても美味しいと思うお菓子もありますし,ほんの一部のお店を除いた日本の水準がこのお店に追い付いてきたとは全く思えません。

こんなお店が30年以上前から存在してたんですよ？すごい。

70歳をこえても現役バリバリで美味しい菓子を作り続ける安達シェフはすごいですし,あたたかみのあるお菓子と接客で大好きなお店です。

また,プレリュードで修行した人や影響を受けた人などいますが,このお店があったからこそ東海地方にフランスらしい味わいのお菓子を提供するお店がいくつかあると言い切っていいでしょう。そういう意味でも貢献度が高いです。そして弓田氏の存在があったからこそですね。

まだ書き足りないことが出てきそうな気もしますが,そのときは追記するか別で書きますね。

【記事】フランス風菓子プレリュード記事一覧

ふらんす風菓子プレリュード　☆10
岐阜県岐阜市福光南町16-19　　058-233-9950
営業時間　10:00～18:30　喫茶(平日10:00～16:00　土日祝10:00～15:30)
定休日　月曜日,火曜日,木曜日
駐車場　有
イートイン　有
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